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悪夢についてよくある質問
● 悪夢って何ですか? 悪夢とは、とても苦しいので、たいていは途中で目が覚めてしまう夢のことです。夢を見ている人は、夢を見ながら、いろいろと気持ちがかき乱されるのを感じるでしょう。たとえば、怒りや罪悪感、悲しみや気落ちする感じなどです。悪夢に一番共通している気持ちは、恐怖と不安です。 悪夢のテーマは人それぞれ、同じ一人の人をとってもその時その時で、とても幅があります。一番一般的な悪夢は、追われる夢です。大人の場合よくあるのが、見ず知らずの男性に追いかけられるというものですが、子どもの場合は動物や架空の人物に追いかけられるのが一般的です。
● 悪夢を見るのはどんな人? ほとんどだれでもが一度や二度は悪夢を見ます。大多数の子どもは3、4歳から7、8歳の間に、悪夢を見ます。この場合の悪夢は、正常な発達の一部であり、一般的に異常な問題があると知らせるサインではなさそうです。一方、大人は悪夢を子どもほどは頻繁には見ないのですが、いくつかの研究では大人も悪夢をみることがわかっています。大人の5パーセントから10パーセントが、ひと月に一回かそれより多く悪夢を見るということです。
● 何が原因で悪夢を見るのでしょうか? 原因には、いろいろな可能性があります。ある種のドラッグや処方された薬によって悪夢を見たり、そういった薬を使うのを急にやめた場合にも見ることもあります。また、病気や発熱時のような身体の状態が原因で悪夢を見ることもあります。幼児期にみられる悪夢には、子ども時代に特有の恐れや困ったことに対処できるよう、子どもが一生懸命がんばっている状態が表れているのかもしれません。 手術を受けたり、愛する人を亡くしたり、暴行や重大な事故といった、トラウマを受ける出来事を経験した後には、多くの人が悪夢を見ます。過去に戦争へ行っていた退役軍人の方々は、このカテゴリーに当てはまります。こうした出来事を体験した人が見る悪夢の内容は、たいていは、直接そのトラウマになるような出来事に関係していて、何度も繰り返して悪夢を見ることがよくあります。 また、目が覚めている時の生活でストレスにさらされていても、悪夢を体験することがあります。例えば仕事や家族・恋人との関係の行き詰まりや変化によるストレス、転居、妊娠、お金に関する気がかりなどです。 最後に付け加えると、目が覚めている時の生活とは関係なさそうな悪夢を頻繁に体験する人たちもいます。こういった人たちは、平均的な人よりも創造的で、感受性が鋭く、お人好しで、感情豊かな傾向があります。
● 悪夢を見たらどうすればいい? できることは、悪夢の原因によって本当に様々です。悪夢の原因がドラッグや処方された薬、病気かどうかを判断するには、医師に相談することをおすすめします。小さな子どもには、「お父さんお母さんや、そばにいる大人に怖かった夢の話をしてもいいんだよ」と声をかけることも役に立ちますが、一般的には子どもに治療が必要なわけではありません。とはいえ、子どもが繰り返し悪夢を見ていたり、非常に不安になるような悪夢を見ているようでしたら、心理療法家の助けが必要になるでしょう。その場合、心理療法家は、子どもに悪夢を絵に描いてもらったり、悪夢に登場する怖いキャラクターと話たり、想像の上で、悪夢の内容を変えてもらったりするかもしれません。そうすることで、子どもにさらに安心感を持ってもらって、怖さを和らげるのに役立つためです。 悪夢がトラウマを受けた出来事を繰り返すのは、こころが傷を癒そうとする正常なプロセスの表れです。そのため回復が進むと、悪夢を見る頻度や印象の強さは和らいできます。数週間が経っても、悪夢を見る頻度や印象の強さが変わらない場合は、心理療法家に相談してみるのがよいでしょう。
大人にとって、普段見る夢によって自分の可能性を知ったり、自己理解が深まる機会となるのと同じように、悪夢もまたそういった機会を与えてくれます。練習すると、夢を見た人は視覚的で象徴的な夢の言葉の意味を理解し、夢と日常生活とのつながりがわかることもよくあります。でも、悪夢というのはもともと苦痛に満ちているものです。そのため悪夢をみる人は夢の意味をよく味わう前に、まずは悪夢に伴う苦しみを和らげる必要があるでしょう。 悪夢の苦痛をやわらげる方法には、夢を文章にする、絵に描く、悪夢の登場人物と想像上の会話する、悪夢の終わりがもっと楽しくなるよう想像してみる、悪夢をそのまま繰り返して数回言ってみる方法などがあります。こういった方法を試している時は、リラックスしてすればするだけ、やりやすくなります。夢を理解する方法を習うのに適した本はたくさん出版されていますが、本を読む代わりに、心理療法家に手伝ってもらうのもよいでしょう。 悪夢の中には、すさまじいストレスや気持ちの葛藤と関係しているため、心理療法家に相談することが必要なものがあります。そういう悪夢の場合は心理療法家に相談することを強くお勧めします。
驚かれるかもしれませんが、悪夢をみて苦痛に満ちた体験をしても、ちっとも不快にならない人たちも多くいます。研究によると、悪夢をよく見る人たちの約半数は、興味深く、創造的な心の働きとして、悪夢のことを考えています。そういった人たちは、とても興味深いものとして悪夢をとらえるか、「そんなのただの夢だよ」と悪夢にことさら関心を示さないかのどちらかの見方をします。このことは、その人の悪夢に対する態度がとても重要であることを示しています。
○ 夜驚症というのは? 夜驚症と悪夢は、まったく異なっています。悪夢は眠りについて数時間たってから起こることが多く、叫んだり動き回ったりすることはほとんどありません。それに夢はたいてい複雑で強烈なものが多く、夢をみた人は目覚めると「自分は夢をみていた」とすぐにわかります。それに対して、夜驚症は眠りについてから1時間か2時間のうちに起こり、大声で叫び、手足をばたつかせることが生じます。寝ている人は目を覚ますのが難しく、むしろ圧倒されるような気持ちや一つの場面しか思い出せないのが、普通です。つまり、悪夢と夜驚症というのは、生理学的に異なる睡眠の段階で生じるものといえます。夜驚症の子どもたちは、夢遊病(睡眠時遊行症)になったり、もしくはおねしょをしやすい傾向があるかもしれません。夜驚症の原因はよくわかっていないのですが、思春期を迎える頃になると、夜驚症は自然となくなります。大人の場合は、ストレスと関係があるのかもしれません。夜驚症が頻繁に起こり、とりわけ不安を引き起こすようでしたら、医師に相談することが役立つでしょう。
知りたいことは見つかりましたか? さらに詳しくお知りになりたい方は、IASD(国際夢研究協会)の悪夢に関する新しいページhttp://asdreams.org/nightmare/index.htm をご覧ください。また現時点では英語のみですが、IASDのウェブ上での検索や、掲示板の内容をご覧ください。(訳:榎本修平、田尻宇成、鶴田みさ) |